ハノイ旅行を計画するとき、最初に知っておきたいのが「どのエリアに何があるのか」という位置関係です。
旧市街、ホアンキエム湖、フレンチクォーター、バーディン、タイホー……。ホテルを探しているとさまざまな地名が出てきますが、初めてのハノイでは、それぞれがどのくらい離れているのかイメージしにくいかもしれません。
実際のハノイは、泊まる場所や歩くエリアによって街の印象がかなり変わります。
賑やかな路地を歩きたいなら旧市街。ハノイらしい景色と利便性を両立するならホアンキエム湖周辺。歴史ある建築と落ち着いた雰囲気を楽しむならフレンチクォーター。湖のあるゆったりした時間を過ごしたいならタイホー。
この記事では、初めてハノイを訪れる人にも位置関係が分かるよう、主要7エリアを地図とともに紹介します。
まずは地図でハノイの位置関係を知ろう
細かな行政区分を覚える必要はありません。旅行者なら、まず次の7エリアの位置関係をつかんでおけば十分です。
※旅行者が位置関係を把握しやすいよう主要エリアを簡略化して紹介しています。行政区画の境界を示すものではありません。
初めてなら、まずこの位置関係を覚えればOK
旧市街
↓
ホアンキエム湖周辺
↓
フレンチクォーター
その西側にバーディン、さらに北西方向にタイホー(西湖)。中心部の南側にはハイバーチュン、紅河を越えた東側にはロンビエンがあります。
特に初めての旅行では、「旧市街・ホアンキエム湖・フレンチクォーター」の3つを中心部として考えると、ホテルや観光スポットの位置がかなり分かりやすくなります。

※旅行者が位置関係を把握しやすいよう簡略化したエリアマップです。行政区画の境界を示すものではありません。
ハノイの「中心」はどこ?
旅行者にとって分かりやすいハノイの中心は、ホアンキエム湖と、その北側に広がる旧市街です。
ホアンキエム湖はハノイの都市中心部にあり、湖の北側へ進むと旧市街、南から南東方向へ進むとフレンチクォーターへと街の表情が変わっていきます。
ベトナム観光公式でも、旧市街はホアンキエム湖の北側に位置する歴史地区として紹介されています。旧市街は伝統的に「36通り」で知られ、かつて通りごとに異なる職人や商人が集まっていました。現在も細い路地、商店、飲食店、寺院などが入り混じる独特の街並みが残っています。
一方、旧市街の南側へ歩くと、広い道路や街路樹、フランス統治時代の面影を残す建築が目立つようになります。
つまり、中心部を歩くだけでも、短い距離の中で異なるハノイを感じられるのです。
① 旧市街|初めてのハノイを象徴する街
初めてハノイを訪れるなら、一度は歩いておきたいのが旧市街(Old Quarter)です。
細い通りをバイクが行き交い、路上には食堂やカフェ、昔ながらの商店、小さなホテルが並びます。通りを一本曲がるだけでも雰囲気が変わり、「歩くことそのもの」が観光になるエリアです。
旧市街は歴史的に約1平方キロメートル、36の通りで知られる地区で、現在も徒歩で巡りやすい範囲に多くの見どころがあります。
旧市街の主な見どころ
- ターヒエン通り
- ハンマー通り
- ハンガイ通り
- ドンスアン市場
- オークアンチュオン門
- 白馬祠(バックマー寺)
- 古い町家や路地
ホテルを選ぶなら
飲食店やショップが多く、徒歩中心で観光したい人には非常に便利です。一方で、通りによっては夜まで賑やかな場所もあります。
同じ「旧市街のホテル」でも、大通り沿いなのか細い路地なのか、ターヒエン通りなど夜に賑わう場所に近いのかで滞在環境は変わります。
こんな人に向いています:
初めてのハノイ/街歩きを楽しみたい/ローカルフードを食べたい/観光の利便性を重視したい

② ホアンキエム湖周辺|観光にも滞在にも便利な中心部
ホアンキエム湖(Hoàn Kiếm Lake)は、ハノイ中心部を象徴する存在です。
湖には亀の塔があり、北側には赤いテーフック橋を渡って訪れる玉山祠があります。朝には運動する地元の人々、夕方になると散歩を楽しむ人々が集まり、観光名所でありながらハノイの日常を感じられる場所でもあります。
旧市街にもフレンチクォーターにもアクセスしやすいため、初めてのハノイ旅行では非常に分かりやすい滞在拠点です。
ホアンキエム湖周辺の主な見どころ
- ホアンキエム湖
- 亀の塔
- 玉山祠
- テーフック橋
- リータイトー公園
- 湖周辺のカフェ・ショップ
こんな人に向いています:
初めてのハノイ/立地を最優先したい/旧市街もフレンチクォーターも歩きたい/ホテルの質にもこだわりたい
③ フレンチクォーター|建築と落ち着いた街並みを楽しむ
ホアンキエム湖から南〜南東方向へ歩いていくと、旧市街とは違った景色が現れます。
広い道路、街路樹、黄色い外壁の建築など、フランス統治時代の都市計画や建築の面影が残るフレンチクォーターです。
ベトナム観光公式の街歩きルートでも、旧市街の南側にフランス植民地期の建築、緑の多い公園、ヴィラなどが残るエリアとして紹介されています。
主な見どころ
- ハノイ・オペラハウス
- ベトナム国立歴史博物館周辺
- リータイトー公園
- フランス統治時代の建築
- トランティエン通り周辺
ハノイを代表する歴史的高級ホテルもあり、旧市街の喧騒から少し距離を置きながら中心部に泊まりたい人にも適しています。
こんな人に向いています:
建築が好き/落ち着いた滞在をしたい/上質なホテルを選びたい/旧市街にも徒歩で行きたい
④ バーディン|ベトナムの歴史と政治を感じるエリア
ホアンキエム湖や旧市街から西側へ向かうと、バーディン(Ba Đình)エリアがあります。
ここはベトナムの政治と近現代史を知るうえで重要な場所。ホーチミン廟を中心として、一柱寺や博物館などが集まっています。
主な見どころ
- ホーチミン廟
- バーディン広場
- 一柱寺
- ホーチミン博物館
- タンロン遺跡周辺
旧市街のような商業・観光の賑わいとは異なり、歴史的・政治的な施設を巡る目的で訪れることの多いエリアです。
こんな人に向いています:
ベトナムの歴史を知りたい/史跡や博物館を巡りたい/旧市街以外のハノイも歩いてみたい
⑤ タイホー|西湖のある、もうひとつのハノイ
中心部から北西方向へ進むと、ハノイ最大級の湖である西湖(West Lake / Hồ Tây)が広がります。その周辺がタイホーです。
旧市街とは街の密度も空気感も大きく変わり、湖沿いにはカフェやレストラン、ホテルなどが点在しています。
一方で、鎮国寺をはじめとする歴史的な場所も多く、西湖周辺には長い歴史を持つ寺院や伝統文化が残されています。ハノイ市文化スポーツ局も、タイホーにはタンロンの歴史を伝える多数の史跡や伝統文化が存在すると紹介しています。
主な見どころ
- 西湖
- 鎮国寺
- 西湖府
- 湖畔のカフェ・レストラン
- 夕方の湖畔散策
こんな人に向いています:
2回目以降のハノイ/湖のある景色が好き/ゆったり過ごしたい/カフェやレストランを楽しみたい
⑥ ハイバーチュン|観光地の外側にある現代のハノイ
ホアンキエム湖から南側へ広がるのがハイバーチュン(Hai Bà Trưng)方面です。
旧市街ほど観光客向けに特化しておらず、住宅、オフィス、商業施設、飲食店などが混在しています。
旅行者が「必ず訪れる観光エリア」というよりも、中心部から少し範囲を広げて、現在のハノイの日常や新しい店を楽しみたいときに注目したいエリアです。
周辺の主なスポット
- ベトナム女性博物館周辺
- トンニャット公園
- 現代的なカフェや飲食店
- ローカルな商店・住宅街
こんな人に向いています:
観光地だけではないハノイを見たい/新しいカフェや飲食店を探したい/2回目以降の旅行
⑦ ロンビエン|紅河の向こう側へ
旧市街の東側には紅河が流れています。その川を越えた先に広がるのがロンビエン(Long Biên)方面です。
中心部とロンビエンを結ぶ象徴的な存在がロンビエン橋。フランス統治期に建設された歴史ある橋で、ハノイの街を語るうえでも印象的な風景のひとつです。
旧市街からそれほど遠くないにもかかわらず、川を越えると中心部とは違った風景が広がります。
主な見どころ
- ロンビエン橋
- 紅河沿いの風景
- ロンビエン市場周辺
- 中心部とは異なるローカルな街並み
こんな人に向いています:
写真を撮りながら街を歩きたい/歴史ある風景が好き/中心部とは違うハノイを見たい
目的別|ハノイではどのエリアを選ぶ?
それぞれの特徴を整理すると、旅行の目的からエリアを選びやすくなります。
| 旅行スタイル | 候補エリア |
|---|---|
| 初めてのハノイ | 旧市街・ホアンキエム湖周辺 |
| 街歩き・グルメ重視 | 旧市街 |
| 利便性と落ち着きを両立 | ホアンキエム湖周辺 |
| 建築・上質なホテル | フレンチクォーター |
| 歴史・史跡巡り | バーディン |
| 湖畔・ゆったりした滞在 | タイホー |
| 現代のローカルな街 | ハイバーチュン |
| 中心部とは違う風景 | ロンビエン |
ただし、これは「どこが一番良い」という意味ではありません。
ハノイの場合、初めてなら中心部に泊まり、そこからGrabなどでバーディンやタイホーへ足を延ばす方法もあります。逆に2回目以降なら、タイホーなどを滞在拠点にして中心部へ出かける旅もできます。
エリア間の移動はどう考える?
旧市街・ホアンキエム湖・フレンチクォーターは比較的まとまっており、街歩きと組み合わせやすいエリアです。
一方、バーディンやタイホーまで範囲を広げる場合は、徒歩だけにこだわらずGrabやタクシーを組み合わせると効率的です。
ハノイは歩いてこそ面白い街ですが、道路横断や暑さ、雨など、日本とは異なる環境もあります。
「全部歩く」のではなく、エリア内は歩く、エリア間は車で移動すると考えると旅行しやすくなります。
ホテルを選ぶ前に、まずエリアを決めよう
ハノイのホテル選びでは、星の数や宿泊料金だけでなく、「どのエリアに泊まるか」が旅行の過ごし方を大きく左右します。
たとえば、同じ高評価のホテルでも、旧市街ならホテルを出てすぐに路地歩きや食べ歩きを楽しめます。一方、タイホーなら湖を眺めながら、中心部とは違った落ち着いた時間を過ごせます。
まず旅行中に何をしたいかを考え、そのあとでホテルを選ぶと失敗しにくくなります。

ハノイは「エリアを移動する」ともっと面白い
初めてのハノイでは、旧市街の賑わいが強く印象に残るかもしれません。
けれど、ホアンキエム湖を越えてフレンチクォーターへ歩き、バーディンで歴史に触れ、西湖まで足を延ばしてみると、同じ都市とは思えないほど街の表情が変わります。
旧市街だけがハノイではありません。
歴史ある路地、フランス統治時代の建築、政治の中心地、湖畔の暮らし、紅河の向こう側の風景。それぞれを少しずつ歩いてみることで、ハノイという街の奥行きが見えてきます。
まずは今回の地図で位置関係をつかみ、自分が歩いてみたいエリアから旅の計画を始めてみてください。


